夏の早朝の外の空気は凄く良い匂い
中3の夏休みアツコと遊びまくっていました。
妹の面倒をあまり見なくて良くなっていた私は、これまで遊べなかったうっぷんを晴らすかのように、朝早くから夜遅くまで。
下手したら朝から朝まで遊んでいました。
アツコと私の家は近距離で、お互いの家の中間地点にある小さな漢方薬局のお店でたむろしていました。
いつからか皆そこに集まるようになってきて、そこに行けば誰かしら居る。
そんな場所でした。
十字路に面したそのお店は、良い感じの段差があり座る事も出来る。
自販機もある。
当時はポケベルだったので(笑)
公衆電話もあるし、私達にとっては最高の溜まり場でした。
最後のほうは、薬局のおじさんに物凄く煙たがられてしまったんですけど。
そりゃそうですよね。
お店で何か買う訳でもない。
たまにお店に入ってきたと思ったら、公衆電話を使うために
両替えしてくださ~い。
そして何より、ガラの悪い中学生がウジャウジャいたら、普通に営業妨害ですもん。
私はガラ悪くなかったですよ☆
本当に申し訳ない事をしてしまっていたなと思います。
今年の夏にそのお店の前を通ったら、今も営業していました。
良かった\(^o^)/
夏休みのある日。
その日、私はアツコの家に泊まっていました。
アツコのお父さんは、とても厳しい。
彼女は家の電話を使い過ぎて、お父さんから家の電話使用禁止令が出ていました。
アツコの家族が寝静まった頃、私とアツコはこっそり家を抜け出し、いつもの薬局に行きました。
2人でぺちゃくちゃ喋って誰か呼びだす~?なんて話してたら、突然目の前にパトカーが現れました。
本当、突然です。
十字路に面しているお店なので、めちゃくちゃ見通しの良い場所なのに、全く気づきませんでした。
パトカーというのは怪しい人物には音も無く、ライトを消して近付いてきます!
気を付けて!!!笑
特に怒られたりしたわけでもなく
早く帰りなさ~い
と言われただけで、私たちも
は~い
と答えて、帰るふりをしました。
暫く二人で、薬局近くに身を潜め
パトカーが遠く離れていくのを待っていました。
その後、再び薬局に戻り
公衆電話でアツコが、誰かに電話をしていたか誰かのポケベルにメッセージを送ろうとしていました。
私は、アツコの斜め後ろに立っていました。
田舎ですし、真夜中なので車も人もほとんど通りません。
私はアツコの後ろに立ち、ぼーっと道を見ていました。
すると、その時1台の白い軽ワゴンが私達の前を通り過ぎました。
その軽ワゴンを見た時、受話器を耳に当てたままのアツコが
あっ・・・
と言いました。
つづく